通貨スワップ協定についてよく知らなかったので調べてみた

調べてみた

 3月19日に米連邦準備理事会(FRB)がドル不足でピンチと話題の韓国を含む9カ国の中央銀行と通貨スワップ協定を締結したと発表があったが、通貨スワップ協定についてよく知らなかったので調べてみた。

通貨スワップ協定って何だ?

 まず通貨スワップ(Cross-Currency Swap)と通貨スワップ協定(Central bank liquidity swap / bilateral currency swap agreements)は別物だということを知っておく必要がある。某掲示板などを見ていると勘違いしている人がいるような気がする。

通貨スワップ
 通貨を対象とするデリバティブ(金融派生商品)取引の1つで、異なる通貨間のキャッシュフローを交換する取引。日本企業がドルを調達するときにアメリカ国内企業向けの金利で調達できたりするやつ。

通貨スワップ協定
 国または中央銀行同士で自国通貨の預け入れと引き換えに相手国の通貨をあらかじめ定めたレートで融通してもらえるという協定。一種の為替スワップ。

「協定」がつくのとつかないのでは全然意味が違ってしまう。今回のは通貨スワップ協定なので、韓国ならウォンを預けてドルを貸してもらい、後日ドルを返してウォンをもらうという協定になる。

今回の通貨スワップ協定の中身を見てみた

 米連邦準備制度理事会(FRB)のプレスリリースFAQによると今回の協定(ドル流動性スワップライン:dollar liquidity swap lines)とは、以下のような感じだった。

  • 海外の金融ストレスによって引き起こされる米国金融市場へのリスクを軽減して米国の家計や企業への信用の流れを維持することを目的とする(ついでに外国の経済もよくなったらいいな)
  • 連邦準備制度が外国の中央銀行に米ドルを提供し、外国の中央銀行は取引時の為替レートに基づいて同額の外国通貨を連邦準備制度に提供する(スワップ
  • 指定日(翌日または3か月先)に最初の取引と同じ為替レートを使用して、交換したドルと外国通貨をそれぞれに返還する(スワップバック
  • 為替レートは最初の取引で決めるので、為替レート変動やその他の市場リスクの影響を受けない
  • オーストラリア準備銀行、ブラジル中央銀行、韓国銀行、メキシコ銀行、シンガポール金融庁、スウェーデン国立銀行に最大600億ドル提供
  • デンマーク国立銀行、ノルウェー銀行、ニュージーランド準備銀行に最大300億ドル提供
  • 協定は最低6ヶ月継続する

 ちなみにカナダ銀行、イングランド銀行、日本銀行、欧州中央銀行、スイス国立銀行とはすでに同じような協定を締結していて、こちらは提供上限などがなく常設という感じになっている。今回の協定は仮設(temporary)という扱い。

あくまでも米国による米国のための協定

 米国の家計/企業を守ることが目的であって、韓国やブラジルなど外国の経済状況を支援するなんていうのは二の次のタテマエだと思う。6ヶ月でコロナショックから立ち直れるとは思えないし、うっかり通貨防衛に使ってしまったら3ヶ月後にドルが返せなくて詰んでしまう気がするので、この協定が締結されても該当国では株安、通貨安が続くんじゃないかと思う。

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