ローコストでキーキャップに昇華印刷する方法をためしてみた

やってみた

安物のインクジェットプリンターとアイロンがあれば割と簡単に昇華転写印刷ができるらしいのでやってみた。

動画はこちら。

アイロンでキーキャップ印刷:Keycap printing with Clothes iron

材料

品名購入先価格
ESPON A4インクジェットプリンター PX-105Amazon6,980
Refillable ink cartridge(IC4CL69) 
(ブランクな詰替えインクカートリッジ)
Aliexpress740
400ML Universal Sublimation Ink For Epson Inkjet Printers
(昇華インク 4色 400ml)
Aliexpress1,600
トラベルアイロン(ミニアイロン)近所の島忠980
A4昇華インク用転写紙(速乾)100枚システムグラフィ3,160
木材(ヒノキの端材、爪楊枝など)近所の島忠200
高儀 TAKAGI クイックリリース ホビークランプ 100mm 2個近所の島忠480
180度以上の温度に耐えられるシリコン製品
(シリコンシートの代用品)
近所のダイソー100
キーキャップ(絵を印刷するなら白で。材質はPBTにすること!)1個Aliexpress30
カプトンテープ(高耐熱 ポリイミドテープ)aitendo235

合計:\13,925

プリンターの購入とセットアップ

どれを買う?

 普通の顔料インクで使用してしまったものはヘッドに残ったインクの除去が難しいので、安いものでいいから新品を買ったほうがよいと思う。機種を選ぶときは対応したブランクな詰め替えカートリッジが流通していることを先に確認すること。性能はそんなに良くないがPX-105がおすすめ。

 相変わらずプリンターメーカーと詰め替え関係の商品販売業者とでイタチごっこになっていて、詰め替えカートリッジを認識しないプリンターもあるので、安いものを買ったほうが失敗したときの懐へのダメージも小さくてよいと思う。

セットアップ

 セットアップはプリンターのマニュアルに従ってやるだけなので特筆することもないが、詰め替えカートリッジにインクを入れずに空の状態で試し、プリンターが認識しないようなら諦めて中古として売ってしまって別のを探そう。
 無事に認識されたら昇華インクを入れて何度かテスト印刷を行う。なかなかインクが出てこなかったりするので、何度も繰り返して行う必要がある。

 ファームウェアのバージョンアップをするように催促されるかもしれないが、詰め替えカートリッジ対策が入って使えなくなったりすることもあるのでバージョンアップはしないほうがよいと思う。

※書くまでもないと思うが、純正インクを使用していない以上、故障しても何の保証もされないのでそのつもりで

昇華インクで転写紙に印刷

 キーキャップのサイズに合わせて昇華インク用の転写紙に印刷する。転写紙には大体表裏があるので、間違えて裏面に印刷しないように注意する。
 印刷データ作りはサイズや色合わせで試行錯誤が必要になるので、最初は転写紙を使わずに普通紙で試したほうがよいと思う。色の濃さはインクや転写時間などよって微妙に異なるので何とも言いづらいが、だいたいオリジナルより濃く出てしまう傾向なので薄目に調整するのがおすすめ。

キーキャップを固定する土台の作成

 キーキャップの上に昇華転写紙、シリコンシートを乗せてアイロンを押し付けて転写を行うが、土台なしだとうまく押し付けられないで印字が部分的に薄くなったり、キーキャップが押し付けた勢いでどこかに飛んでいったりするので固定する台を用意する。

 材料は転写に必要な温度(180℃)ですぐに燃えたり、溶けたりせず、熱が伝導し難いものであれば何でもよいが、木材が一番手に入りやすく加工もしやすいのでおすすめ。
 高さはキーキャップより大体1~2mm程度低くなるように高さを調節する。キーキャップがDSA R1なら7mm程度あれば良い。 木片に穴をあけてもよいし、角材を切り出して接着剤(耐熱300℃のJBウェルド)で接着してもよい。

(左)木片をJBウェルドで接着
(右)7mmの板がなかったので5mmと2mmの板を爪楊枝をダボ代わりにして接合し穴あけ

昇華転写!

アイロンの準備

 今回は転写のための熱源として安く手に入るアイロンを使用した。「トラベルアイロン」とか「ミニアイロン」とかいう名前で180℃まで加熱される小さくて安いものがあるのでそれを買ってもいいし、普通のアイロンがあればそれを使ってもよい。ただし、普通のアイロンはスチーム機能がついていたりするので使用するときにはoffにすることと、温度設定を180℃程度になるように調整すること。(普通のアイロンは最大温度「高」まで上げてしまうと180℃を超えてしまう)

性能表示によると180℃固定らしい

シリコンシートはどうする?

 キーキャップには凹みがあり、そのままアイロンを押し付けても転写ができないため2~3mmのシリコンシートを乗せる。180℃以上の耐熱性があって、熱の伝導性がよく、柔らかくてシート状のものなら何でもよいが、ダイソーなどの100均でシリコン製品を買ってきて切って使うのが一番ローコストな方法だと思う。(ダイソーで売っていた「シリコーン スポンジホルダー」という商品が丁度よかった)

シリコン製おかずカップも使えるかも

転写

 180℃の熱に耐えられるカプトンテープで昇華転写紙をキーキャップに張り付ける。 昇華転写紙はキーキャップの面よりやや大きいサイズに切っておくのがおすすめ。面より小さいと紙の外枠に沿って線が入ることがあり仕上がりがよくない。

紙が大きいと位置合わせが難しくなるが…

 アイロンを押し付ける作業に入る前に、まずは火傷しないように軍手などを着用しよう。
キーキャップを固定台に入れ、その上にシリコンシートを敷いてからアイロンを押し付けて転写する。転写にかかる時間はアイロンや昇華インクなどによって調整が必要だが、きちんと押し付けられていれば3~5分で十分転写される。色が濃すぎるようなら押し付ける時間を短くして調整する。アイロンを均一な力で押し付け続けるのは大変なので、クランプで固定するのがおすすめ。
 転写直後はシリコンシートもキーキャップも高温になっていて火傷する恐れがあるので注意すること。

クランプに耐熱性はない。アイロンのかけ面に接触させると色々溶けたりするので注意

やってみた感想

おすすめ度:★★★★★

 ガチな昇華インクプリンターやヒートプレスマシンを揃えると 何十万円もしてしまうが、ローコストな方法でもそこそこ品質の昇華印刷ができてとても楽しかった。材料さえ揃えば諸々の作業は難しくないし、週末のDIYプロジェクトとしても丁度よいと思う。

 自分がやってみようと思ったきっかけは、自作キーボードのキー割当にぴったりのキーキャップが欲しかったからだが、オリジナルキャラのキーキャップを作って頒布してもいいし、Tシャツとか他のものへの転写も工夫次第で色々できそう。一家に1台ローコスト昇華インクプリンターがあればDIYの楽しみが広がると思う。

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